【3人に1人がボランティア活動に取り組むデンマークでボランティアに参加して感じたこと】
Hej! どうもこんにちは!さくらんぼです。
今回は3人に1人が何らかの形でボランティアに関わるデンマークでのボランティアについて。
デンマークでのボランティアの役割や価値を、
私自身のCopenhagen Volunteerでボランティア活動の経験を踏まえて考えたいと思います。
私はデンマークでCopenhagen Volunteerという
ボランティアコミュニティに属しています。
このボランティアコミュニティには約1800もの人が所属していて
特に何の制限もなく誰もがメンバーになることが可能です。
何をするのかというとコペンハーゲンで行われるイベントのうち、Copenhagen Volunteerと協力して運営をするものに参加しイベント運営のお手伝い。
そのイベントは国・市の主催のものからNGO、企業主催のものまで様々!
イベントはCopenhagen Volunteerのオンラインページに随時アップデートされる。
どのようなボランティアに参加したいかはイベントごとに掲示されている仕事内容を見て自分が興味を持ったものに登録できるようになっています。
実際サインアップしたイベントでボランティアを行うと
ちゃんとこんな証明書までもらえて就業や就職活動などでも有利になったりする。
・クリスマスのカルチャー・アートイベントのボランティア
[展示会にくる子ども達のための小さな家を手作りで!デンマークのボランティアイベントはスポーツ系が一番多く、文化や余暇を楽しむイベントも数多くあるみたいです]
[割と本格的な道具を使っての作業]
私はこのイベントでデンマーク人の70歳くらいのおじいさんと出会いました。
『デンマークはボランティアする人は結構いるね。僕は定年退職してからこのコミュニティで活動し始めたけど、そういう高齢者はかなり多いよ』
街のイベントでボランティアをして、新しい人と出会うパワフルさや社会のために何かしようとされている姿を見ていると、
70歳というお年であるにも関わらず実年齢よりもとてもお若くイキイキとして見えた印象でした。
・チャリティーマラソンでのイベントのお手伝い
[参加者はみんなサンタクロースのコスプレ]
[走るサンタ達]
”このSanta Fun Runの参加費用はSMILfondenというアソシエーションを通してデンマークの病気と闘う子どもたちのサポートする支援金として届けられる”
”このイベントの参加費用はBornfondenという開発系NGOを通じて、マリの田舎地域の教育の質向上のために使われる”
イベントの主催者として参加していた同い年くらいの子に話を聞いてみると
このイベントはビジネススクールの学生たちが企画し、
NGOであるBornfondenと協働で開催したものだとのこと。
実践的な教育プログラムがいかに多いのかということを痛感させられました。
ボランティアをすることで得られる特権
ボランティア当日はお昼ご飯を出してもらえたり特製Tシャツや景品、特典が得られるすることが多い。
そして、新たな出会いや心の満足感も目に見えないけれど得られるものの1つ。
ボランティアの様々な役割
コミュニティづくりとしてのボランティア
このCopenhagen Volunteerもそうですが、
ボランティア活動中に新しい人と出会ってその人たちと仕事をする中で
話せたり仲良くなれたりするということです。
そのボランティアに参加しなければ出会うことができなかった人と
知り合うことができます。
普段は接点のない年齢の離れた人達とも話ができたりするのも、
ボランティア活動の良いところだなと感じました。
また、ボランティア団体の中でともに活動するメンバーがいることで1つのコミュニティーに属することができるという面では、
趣味に近いものを感じました。
アクティブシティズンを生み出すボランティア
デンマークでは慈善活動のボランティアが高校の必修科目になっています。
具体的には学生たちが
デイケア施設での交流会企画したり、移民の子どもたちに向けて授業を行ったりなど
自分たちで慈善活動を企画して実行するといったもの。
これらはアクティブシティズン(社会問題に対して積極的に情報を取り入れ動くことができる市民)を育てていくために、
非常に効果的なプログラムだといわれています。
社会問題や周りに対して積極的に働きかけることができる市民を育てるための教育として
”ボランティア活動”という選択がなされているのが面白いですよね。
移民問題の緩和剤としてのボランティア
活動の中で気が付いたのは、
ボランティアに参加しているのは移民の人も多いということ。(現に私自身も留学生という一時的な移民である)
これらのチャリティーマラソンで出会ったのは、
ブルガリアから来た移民の親子とこれからデンマークで働くというブルガリア人の20台前半の女性。
また、ボランティアにも参加している西アフリカのマリから来ていた移民の友達が話してくれた言葉が
「このボランティアの活動に参加してデンマークの社会のために働くモチベーションがあるってことを示す証明書があるのは、仕事探しの時にとても助けになるんだ。どうしても移民は信用されにくいし就職もしづらいからね。」
というもので印象的でした。
デンマークは高福祉国家であり、その分誰から誰までを「国民」とするかという点ではとても厳しい国。そのためデンマークは反移民感情が高く、移民を受け入れない国だとして他のヨーロッパの国々から非難されている一面もあります。
この状況を緩和する解決策として、ボランティアセクターが移民を受け入れる役割を果たすのではないかという議論もあるようです。
実際に、友人のマリ人の彼のようにデンマークでの就職活動の際に
ボランティアの証明書を使って自分がデンマークで役に立って働きたいとい思いを伝えようとしている人もいました。
デンマークのボランティアに社会問題を緩和する可能性が隠されているのかもしれません。
おわりに
いかがだったでしょうか?
日本でも災害ボランティアや地域の自治会、NPOなど様々な場面で
ボランティアの方々が活躍していますよね。
日本国内外に限らず、いろんなボランティアの機会があると思います。
ボランティアをやりたいという人の理由は様々だと思いますが
自分の心も相手の心も満足できた時に、
その優しさや暖かさはどんどん次の人へとつながっていくのかなと思います。
それでは今回はこの辺で〜hej hej!!!