【実体験!致死率100%の狂犬病を発症しないために絶対に頭に入れておくべき予防と事後対処!-私たちのカミギンライフ vol.12-】
Maayong hapon! みなさんこんにちは、
さくらんぼです!
今回は、タイトルから見てもあまり穏やかではないトピック。。。
この間、フィリピンのカミギン島で野良猫に顔を引っかかれ、(どんなシチュエーション )止むを得ず狂犬病のワクチンを打たことになりました。
そんな狂犬病の症状というと、
発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、疲労感といった風邪のような症状ではじまり、咬まれた部位の痛みや知覚異常を伴います。興奮や不安状態、錯乱・幻覚、攻撃的状態、水を怖がるなどの脳炎症状を呈し、最終的には昏睡から呼吸停止で死亡します。
こっ、、、怖い。
狂犬病にならないための出国前の準備から実際に噛まれたり引っ掛かれたりしてしまった時の
対処法など、自分の経験を含めて、
書いていきたいと思います。
出国前
「狂犬病って発症したらほぼ100%で死ぬらしい。」
ということは知っていて、狂犬病で実際亡くなる方も少なくないフィリピンに行くことから、出国前に狂犬病のワクチンを受けていました。
Verorabという種類です。
早稲田大学の近くにある国際医療研究センターという医療機関にトラベルクリニックトラベルクリニック|国立国際医療研究センター病院という
所謂途上国と言われる国に行く人は
ワクチンで珍しく学割が効くのでオススメ。
こちらワクチンの値段表です。http://travelclinic.ncgm.go.jp/011/vaccineprice.pdf
結構高いので注意ですね。
狂犬病が確認されている国で、野良の動物に噛まれた/引っかかれたら?
狂犬病の場合は、
事前にワクチンを打っていても
実際現地で野良犬から噛まれたり、引っかかれたり時に注射を打たなければなりません。
野良犬だけでなく、全哺乳動物。猫、ネズミ、コウモリなども危ないみたいですね。
野良に噛まれたり引っかかれたりした時に落ち着いて対処できるように手順を確認しておきましょう。
①石鹸と水で傷口を15分程しっかり洗う。
血が出て傷口に沁みても15分くらい流水と石鹸で洗い続けます。
直後のアフターケアがとても大切なのだそう。
②できるだけ早く病院へ駆け込む。
小さな傷で病院に行くべきか迷ったとしても
後で後悔するよりかは行った方が良いと思います。
よだれがついたりしただけなら大丈夫ですが
甘噛みされたり、引っかかれたりは一応打った方が良い。
血が出ていたら、もともと傷口になっていて、体液同士が接する可能性があるような部分を舐められたりしたのなら、直ちに病院に行った方がいいようです。
病院に
まず、途上国でも特に小さな街の場合は
病院に狂犬病ワクチンがあるのかを確認する必要があります。
私の場合は小さな島にいたため、病院に常備されているワクチンは品切れで薬局まで自
分で買いに行きました。
夜中の3時に一人で狂犬病のワクチンの買いにいくのは心細い。。
③医者の診察を受ける
これまで打ったワクチンの有無などを含めて
ワクチンを打つ回数が決まります。
事前にワクチンを打たれる方は、
自分が何の種類の狂犬病ワクチンをいつ?
何度?打ったのかを記録しておく必要があります。
狂犬病のワクチンって見たことある人あんまりいないと思うのですが、私が打ったものはSpeedaという名前で一つ
1300php(3000円くらい) しました。
どっひゃあ!高い!
(保険が適応されることを祈る)
この小さい瓶に入った保冷必須の液体を注射針で肩に打ってもらいます。
この瓶一本で一応3人まで注射が打てるらしく、1300phpと高額なので払えない場合は
他の患者が来るまで待って割り勘で買ったりします。
注射したところが膨らみますが翌日には収まります。
傷にもレベルかあり、より脳に近い顔、頭、手などだと危険度が高まるようです。
私の場合、傷が顔にあったのでこれを
追加で傷口近くに打ちました。
(歯医者の麻酔以外、顔に注射なんてなかなかない)
かなり見づらいけれど右上唇の淵の部分に打ってもらいました。
③指定された回数ワクチンを打ちに行く
私が今回、事前に打っていた
ワクチンはVerorab、3回分。
現地で打った回数はSpeeda、2回分。
事前にワクチンを打ってなかった場合は、
4回分と言われました。
この辺はワクチンの種類によっても
違うみたいなので医師の診断に従います。
狂犬病ワクチン 覚えておくべきこと3つ!
-
出国前事前にワクチンを打っておく(ワクチンの種類と打った回数を記録)
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傷口はすぐに応急処置(石鹸と水で15分以上傷口を洗い流す)を行うこと
-
医療機関に赴き、医師の診断を受けること
ここまでをしっかり徹底し、
あとは医療関係者に従えばまずは安心なのではないかと思います。
そもそも狂犬病が蔓延している国で
むやみに、野良の哺乳類に触ったり近づいたりしないことが一番の予防です。
フィリピンにいて感じること -貧困と健康-
最後にフィリピン、カミギン島にいて感じる現場感を少し書き残したいと思います。
狂犬病のワクチンの薬は、使用期限が開封してから3時間。なので、初めて狂犬病のワクチン治療を受ける場合、4度1300phpを払ってワクチンを受けなければなりません。
他の人と運良く割り勘出来なかった場合、1300php × 4 = 5200php= 11200円かかります。
1回 1300phpのワクチン4回分、そんな金額をいきなり払えない経済状況にいる人たちは世界には沢山存在します。
私が住むフィリピン、カミギン島の1日の最低賃金は350php(約750円)。
しかも全ての職場でその最低賃金が守られている訳ではなく、さらには健康保険などの整備が整っていない。つまり、法に反する職場環境で働かざるを得ない人たちが当たり前のように存在しています。
バイクタクシーの運転手など、収入が不安定な仕事だと1日に300円分だけほどの稼ぎしか得られないなんてこともザラにある状況。
私の友達で、15歳の時に子どもを産み育ててきたシングルマザーの子の話です。
彼女の可愛い息子くんが、私に引き続き野良猫に噛まれて出血を伴う怪我をしました。
その時に彼女が、誰にも相談できないと私に電話をしてきたのですが、その電話先で彼女が号泣しながら放った言葉が忘れられません。
「この出費のせいで自分の親が一生懸命せっかく稼いできた今月分と来月分の生活費のための貯金を使ってしまう。でも、この子に何かあったらどうしよう。」
一刻を争う事態の時に、
金銭的な理由が原因で踏み止まらざるを得ないんです。
貧困は、人が生きるために最低限必要な医療へのアクセスを妨げる。
健康が貧困と密に絡み合っていることを
現場で身に染みて感じています。
同時に、こういった事態が度合いが違うにせよ
全世界中のどこででも起きているのだということを思うと本当に心苦しくなります。
難しい課題ですが、より多くの人が
よく生きるために真っ当な形で金銭を得られる
世界になって欲しい。
そのためにも、自分が今できることをローカルから!フィリピン、カミギン島でできることをしっかりやり切りたいと強く思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
それでは!