【衝撃体験!割礼 Circumsicionをフィリピン カミギン島で目の当たりにして-私たちのカミギンライフ vol.7】
Maayong hapon!
皆さん、こんにちは。
お久しぶりのさくらんぼです
私はこの間、
フィリピンに来て一番といっていいほどの
強烈な衝撃を受けました。
なぜか?
割礼の儀式を目の当たりにしたからです。
カ ツ レ イ。
学問書や大学の授業での調査、ユニセフなどの国際機関、NGOによる広告などでしか
耳にしたことのない割礼です。
1. 割礼とは?
2. 割礼は身体にいいの?
3. カミギン島の割礼(Tuli)
①カミギン島式Tuliの手順
②公共サービスTuliの衛生環境
4. 伝統としての割礼
5. 感じたこと: 伝統って何だろう?
1. 割礼とは?
そもそも割礼とは何だ?
という方もいらっしゃると思うので。
宗教的社会的な理由から、
幼少期に男児の性器の一部を切り取る
というもの。
女子割礼、女性器切除(FGM)は、特にイスラム圏内で行われ、女の子の生命を危険にさらす深刻な伝統であるとしてよく批難されることで
ご存知の方も多いかもしれません。
男子の割礼については、旧約聖書に記されているため、全てのアブラハムの宗教(一神教)が
その影響を受けていると言えますが、
宗教的慣習として行われます。
カミギン島の場合は、
スペイン統治時代からのカトリックの
根強い文化として残った結果
今も現地で継承されているのだと思われます。
2. 割礼は身体にいいのか?
割礼をしたほうが良いのか、
しないほうがいいのか。
医学的根拠を含めながらわかりやすく説明している動画がありました。
Circumcised vs. Uncircumcised - Which Is Better? - YouTube
割礼をして、真性包茎にしておくことで
清潔さを保てることから
性感染症やAIDSなどへの感染率がかなり低い
という一面もあるとのこと。
しかし、
・施術によって性的快楽が失われる
・幼少期でまだ訳の分からないまま、半永久的且つ修復不可能な形に身体の一部を変えてしまう
・施術の際の衛生状況によって、
逆に感染症にかかってしまったり、
最悪の場合死に至るケースも報告されている
割礼で2歳男児が死亡、施術の男性逮捕 イタリア - BBCニュース
などの要因から、
割礼の慣習は非難をされることも多いです。
3.カミギン島の割礼(Tuli)
無料の公共サービスとしてTuli(割礼)の
施術は行われます。
毎年4,5月の学校が休みの期間に
島の保健局にいる看護師さんたちが
各地区に出てきて施術を行います。
お金持ちの家庭であれば、
私立の病院(島外)で割礼の施術を
受けることができますが
ほとんどどの家庭はそんな余裕はなく、
無料の公共サービスを受けにいきます。
① カミギン島式Tuliの手順
*ここから、ちょっと痛々しい写真なども
出てくるので苦手な人は見ない方がいいかもしれません。
①3箇所に分けてペニスに麻酔を注入
②麻酔注入直後間髪いれず(麻酔がどれくらい効き始めてるかは不明)に、クリップを使って中の汚物を取り除く
③皮を張ってハサミで切りやすくするため
クリップで固定
④皮にハサミを入れて
亀頭が現れるまで皮を開く
⑤その状態でハサミで切りこみを入れた部分を
医療用糸で縫う
⑥ガーゼとテープで止める
⑦痛み止めAntibioticを渡して終了
と、見ていた手順はこんな感じ。
しかし、10年前にTuliを経験した友達に
話を聞くと彼の頃は
麻酔さえ使っていなかったとのこと😱
しかもこの儀式の後に、
海に潜って魚にTuliの傷口を突かせる
という謎の恒例行事もあったらしい。
(彼曰く、そうすることで傷口が早く治るのだそうだが明らかに怪しい)
② 公共サービスTuliの衛生環境
写真のように、
こうやって長いT シャツを着ているのが
割礼の儀式を受ける子どもたちです。
野次馬だらけの屋外の
体育館のステージ部分での施術。
診療台は長机
シーツ代わりに使われていたのはA4の裏紙2枚 (唖然。。)
施術に使われていた器具は
Petadineを使った消毒に加えて
煮沸消毒、その後Cidexでの消毒が念入りに
がなされていましたが。
でも、
看護師も人によって上手い下手があって、
(注射と一緒)明らかに他の人より出血が多くてめちゃくちゃ泣いている男の子も。
このプロセスを間近で見ていて
本当に痛々しく、ずっと私は苦虫を噛み潰したような表情をしていたのですが
(私が男性だったらもっときつかったかも)
その一方で、地元の人たちは
泣き叫んでる男の子を見て、大爆笑。
「全ての男性が自分も
経験してきてることなんだもんなぁ」
カミギンの人たち、強すぎる。
と感じたと同時に、
自分もやったんだから
次の世代にもやらせるのは当たり前
という思考は、マイナスの方向に
働くこともあるのかもしれないと感じました。
伝統としての割礼
施術にも参加していた看護師の友達に
「みんな本当痛そうだけど、
なんでこんなことするの?」と聞いたら
「これはスペイン統治時代からのカミギンの伝統で、
Tuliをしないと本当の男になれないから」
とのこと。
皆さんお気づきの通り、
カミギン島を始め、割礼が残るその他の多くの
地域では、医学的な要因よりも
社会的要因が強いことが特徴です。
割礼は「真の男になるために必要な儀式」
であるとされ、割礼をしていなければ、
周りからからかわれたり
いじめの対象になったりするため、
相当な社会的なプレッシャーが
彼らを取り巻いているよう。
つまり、割礼してないなんて弱いやつ
っていう価値観が当たり前になってるんです。
伝統って何だろう?
今回、伝統とは、
本当長い年月をかけて人々の意識と生活の中に
作り上げられてきてるものなんだなと感じました。
だからこそ、個人のアイデンティティにも
結びついていたりもする。
そこで
ふと思い当たったのが、
その伝統に対して外部から入ってきた人間が
「それは野蛮だからやめなさい」と言って、
真っ向から伝統を否定して壊してしまう現象。
衛生面を向上させたりなど、
致命的な部分での助言はするべきだけれど
周りがその地域の伝統を全面否定するのは
御門違いなのかもしれないとも感じました。
その一方で、
衛生面を考慮するのみならず、
「望んでいないのに、社会的な圧力によって強制的に割礼をさせられている子どもたちはいないのか」
という視点は必ず大切にされるべきだと強く思います。
子どもたちに対して、
・親が自分たちがやってきたことを
押し付けないこと
・島社会全体でする/しないの選択の余地を
与える価値観を作ること
が必要だと感じました。
伝統と人権問題
伝統が本当に長い時間をかけて
築き上げられてきたからこそ本当に難しいことであり、
他の先進諸国の押し付けですぐに変えられるものではない。変えるべきものではない。
正しい情報を取り入れる中で
意識や人々の価値観が徐々に変わっていくものなのだと思います。
ということで
Controversialだとされる伝統 割礼Tuli を
目の当たりにして感じたことを書いてみました。
長くなりましたが、
読んでくださりSalamat!! それではまた!